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トピックス



太陽光発電システムの出荷動向調査(平成15年度)


社団法人 日本電機工業会
新エネルギー部
出口 洋平

1.まえがき
2.太陽光発電システム出荷量の調査方法
3.調査結果
4.あとがき

1.まえがき

太陽光発電システムの出荷量動向は、昭和63年に旧通産省工業技術院委託事業である新発電システムの標準化に関する調査研究の一環として、 (社)日本電機工業会 太陽光発電システム・機器分科会が、その出向量動向を知るために調査内容を審議し、その内容を盛り込んだ調査票 様式を定めた。この調査票を用いて、昭和62年度出荷分から本格調査を開始したものである。平成13年度からは日本電機工業会の自主事業として 実施し、現在に至っている。 平成15年度に出荷された太陽光発電システムとして、23社(表1)に対して調査を行い、306件にのぼる調査票による回答を得た。本調査報告は、 各社から回答のあったデータを分析した結果をまとめたものである。

表1 平成15年太陽光発電システムの出荷量動向調査回答会社一覧表 (五十音順)

愛知電機(株) 京セラ(株) 日新電機(株)
岩崎電気(株) (株)神戸製鋼所 富士電機システムズ(株)
(株)荏原製作所 三洋電機(株) 松下電工(株)
株)エム・エス・ケイ シャープ(株) 松下エコシステムズ(株)
エム・セテック(株) 昭和シェル石油(株) 三菱電機(株)
(株)大林組 (株)竹中工務店 (株)明電舎
鐘ヶ淵化学工業(株) 大和ハウス工業(株) (株)ユアサコーポレーション
川崎重工(株) 司電機産業(株)  
    (計23社)

2.太陽光発電システム出荷量の調査方法

今回実施した調査の概要を以下に纏めた。

a)調査対象期間:平成15年度分(平成15年4月1日〜平成16年3月31日)
b)調査項目:上記対象期間中に出荷された太陽光発電システムについて、システム単位で次の項目について調査した。
・年間出荷総容量、設置場所、設置台数、システム構成、負荷の種類、用途
・アレイ出力容量、直流出力電圧、太陽電池の種類、モジュール出力、モジュール電圧
・パワーコンディショナ(インバータを含む)、出力容量、出力電圧、自立運転機能
・蓄電池、銘板容量、蓄電池システム電圧、蓄電池システム容量

3.調査結果

3.1 システム総出荷容量:出荷容量は前年と比べ増加

昭和62年度から平成15年度までの出荷容量の推移を図1に示す。 平成15年度の太陽光発電システム総出荷容量は平成14年度を12%上回る結果となり、好調に伸びを続けている。 総出荷台数は平成14年度より減少したが、これは換気扇などの小容量システムの大量導入がなくなったためである。 なお、出荷容量の増加は住宅用システムによるものと考えられる。また、平成12年度から住宅用太陽光導入に関する補助金が減額され続けているにも かかわらず出荷容量が増加しているのは、住宅用太陽光発電システムが市場に定着し始めていることをうかがわせる。

システムの設置場所の割合を図2に示す。太陽光発電システムは国内向けが大部分を占め、海外向けの出荷容量は極端に少ないことがわかる。 システムはセル・モジュールと比べ、各国の電力系統に対する基準への適合が求められることが原因と思われる。

図1 システムの出荷容量と出荷台数


図2 出荷容量と設置場所

図2 出荷容量と設置場所

3.2 用途:住宅用システムが出荷容量、台数ともに90%以上

図3(a)、(b)に示すように平成15年度の太陽光発電システムの用途は、住宅用システムが出荷台数で97%、出荷容量で93%を占めており、 最大の用途であることがわかる。住宅用システムの占める割合は増加傾向にあり、住宅用補助金制度は確実な効果を上げているといえる。 しかし、一方で公共施設などの比較的容量の大きいシステムの設置がいまだ少なく、今後のこれらの導入に期待がかかる。なお、個人住宅用 以外の用途を出荷容量が大きい順に並べると、公共施設4%(8,746kW)、事務所2%(4,312kW)、工場1%(1,543kW)となっている。



図3(a)用途別出荷台数の割合 図3(b)用途別出荷容量の割合
図3(a)用途別出荷台数の割合 図3(b)用途別出荷容量の割合

3.3 負荷の種類:AC負荷システム出荷容量99%以上

図4に示すように、AC負荷が出荷容量で99.4%を占めた。

図4 出荷容量と負荷の種類の割合
図4 出荷容量と負荷の種類の割合

3.4 システム構成:系統連系形システム出荷容量99%以上

図5に示すように、系統連系形が出荷容量で99.9%を占めた。

図5 出荷容量とシステム構成の割合
図5 出荷容量とシステム構成の割合

3.5 太陽電池の種類:単結晶シリコン18%、多結晶シリコン81%

システムに使用されている各種太陽電池の出荷容量を表2に示す。前年度の平成14年度と比べ単結晶シリコンのシリコンの出荷容量の割合は30.5%から17.8% へ減少し、多結晶は68.4%から80.9%へ増加している。アモルファスシリコンの割合はほぼ横ばいとなっている。高価で変換効率の良い単結晶シリコンから、 多少変換効率は落ちるが安価な多結晶シリコンに移行しつつある。また当統計調査では宇宙用途を対象外にしているためか、化合物半導体の割合は0%となっている。

表2 システムに使用されている各種太陽電池の出荷容量と割合

太陽電池 平成14年度 平成15年度
容量(kW) 割合(%) 容量(kW) 割合(%)
単結晶シリコン 59,476 30.5 39,277 17.8
多結晶シリコン 133,475 68.4 178,309 80.9
アモルファスシリコン 2,075 1.1 2,912 1.3
化合物半導体 0 0 0 0

3.6 出荷台数とアレイ出力の関係

図6に住宅用システムの出荷台数とアレイ出力の関係を示す。住宅用システムで最も多く導入されているシステムは3kWシステム(33,713台)となっており、
次いで4kWシステム(13,648台)、5kWシステム(7,695台)となっている。一般的な家庭の消費電力を補うには3.8〜4.0kWの太陽電池容量が必要と言われており、
調査結果と合わせると家庭の全消費電力を太陽光発電で補うという考えで設置を行う傾向があるということがわかる。

図6 住宅用システムの出荷台数とアレイ出力の関係
図6 住宅用システムの出荷台数とアレイ出力の関係

図7(a)、(b)に住宅用システム以外の台数とアレイ出力の関係を示す。平成14年度の100kW超級システムの出荷数は26台であるのに対し、平成15年度は12台と減少傾向を見せている。平成15年度で最大規模システムは、1,200kWであった。

図7(a) 住宅用システムを除く出荷台数とアレイ出力の関係(21kW未満)
図7(a) 住宅用システムを除く出荷台数とアレイ出力の関係(21kW未満)
図7(b) 住宅用システムを除く出荷台数とアレイ出力の関係(21kW以上)
図7(b) 住宅用システムを除く出荷台数とアレイ出力の関係(21kW以上)


図8にアレイの直流出力電圧とアレイ出力の関係を示す。アレイ出力が10kWから100kWの範囲では、アレイの直流出力電圧は主に150Vから250Vの範囲にある。
単結晶モジュールは、出力が主に75Wから200Wの範囲にあり、モジュール電圧は15Vから55Vの範囲にあった。多結晶モジュールは、出力が主に75Wから170Wの範囲にあり、モジュール電圧は大部分が25V程度となっていた。

図8 全PVアレイ直流出力電圧とアレイ出力の関係

3.7 パワーコンディショナ:住宅用システムが98.6%

パワーコンディショナの用途は、住宅用システムが98.6%(55,693台)を占めている。このうち自立運転機能を備えたものが88.3%(49,204台)となっており、 機能を備えているか不明なシステムが11.6%(6,948台)ある。ただし、備えていないという回答が0台であるということを考慮すると、実際は90%以上の住宅用 システムに自立運転機能が備わっているものと思われる。

3.8 蓄電池:全出荷台数の1%に満たず

蓄電池を使用しているシステムを多い順に並べると、灯浮標(500台)、道路照明(255台)、無線中継(21台)、バッテリーチャージャー(11台)、公共施設(6台) となっている。特に平成15年度の住宅、事務所、工場への蓄電池導入は0件であり、非常用電源や自立システムとしての利用は減少しているようである。

4.あとがき

補助金制度の開始から大幅な減少もなく出荷容量が増加する傾向にあるが、これらの大部分が住宅用太陽光発電システムであるため、次の導入促進事業を考える必要がある。
最後に、ご回答頂いた各社およびご協力頂いた太陽光発電協会に厚く感謝申し上げます。今後も(社)日本電機工業会の自主事業として、太陽光発電システム出荷量動向調査
を継続していく予定である。

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